中町在住 Mさん

女性 昭和27~30年頃

小学校から帰ると、冬の間母が働く紙すき屋にいつも行っていました。
私の母は近所の家に紙すきの手伝いに行っていました。

母の「かずはぎ」の手伝いをしたり、材料に使う「くず(※)」で作った熱いくず湯を頂き、甘くておいしかったことを思い出します。「かずはぎ」したものを雪の上にさらすのもお手伝いでした。そばで家の人が紙を鉄板の上で乾燥させているのを見るのも楽しみでした。失敗した紙や、節紙をいただいて来て弁当の包む紙に使いました。丈夫で使い込むと布のような感じがしたと思います。また友人のおばあちゃんが寒風の中、屋根があるだけの小屋の中で「節取り」をしていました。暖といえば、今でいうアンカ、昔は「火ぼこ」とでもいったでしょうか。手を真っ赤にして冷たい清水で仕事をされていた記憶があります。

昔は何でも大変な時代でしたネ。

※くず・・・打解のときに加えていた「でんぷんのり」に配合する片栗粉。

(平成25年4月 本人記)

 

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