雪さらしの終わったこうぞの皮。
煮るまでこのようにかけておきます。乾き切ったら束にして備蓄しておき、必要の都度とりだして煮ます。
約20キロ分を一回に煮ます。
こうぞの皮をひと晩清水に漬けます。
翌朝きれいに洗いながらザルに上げて水を切ります。
きちんと洗っておくことで、あとのふしひろいの作業が楽になります。
五右衛門風呂のような釜に湯をわかして、ソーダ灰を加えて沸騰させ、こうぞの皮を入れます。
ソーダ灰は原料比約18%を使用。
皮を入れるときは偏らないようによくさばいて入れます。
勢いよく煮たってきたらそのまま沸騰が続くように火を調節します。
1時間ごとに天地をひっくり返します。
2時間半~3時間ほどで皮が柔らかく、横にすっとちぎれるようになったら煮上がっています。
煮上がった皮の繊維は、金色というか真珠色というか、独特のツヤで輝いています。
煮熟のあと、そのまま釜に一晩おいておく方法もありますが、 この場合はより白い仕上がりを目指すため、すぐに釜から上げ流水にさらしてアクを抜きます。
アクが抜けたら流水の中で一本づつゴミや傷を取り除きます。これがふしひろいの作業で、冷たくて根気のいる作業です。
はっきり言って紙すきの中でこの作業が一番大変かな・・・。
皮には黒皮の残りや芽のあと、擦れた傷の跡などが残っていますので、それをきれいにここで取り除くわけです。
ふしひろいがおわると、いよいよ繊維をほぐす作業になります。