内山紙のできるまで

こうぞ畑  
和紙の原料には、楮(こうぞ)・三椏(みつまた)・雁皮(がんぴ)などがありますが、
当館で使っているのはこうぞのみです。
クワ科の落葉低木であるこうぞは、1年で3メートル以上に伸び、毎年収穫できます。


カズはぎ
11月の末にこうぞを収穫して、皮を剥ぎます。
剥いだ皮は軒下につるして乾燥させます。


雪さらし
こうぞの表面の黒い皮を、「おかき」という道具でかきおとし、
雪の上に並べて太陽の紫外線の力で白くします。


煮熟・アク抜き・ふしひろい
白くなった皮を水に浸し、アルカリ性の薬品で3~4時間煮ます。
煮た後はまた水にさらしてあくを抜き、
チリや傷などを取り除きます。


打解・叩解
柔らかくなった皮を打解機で打って、繊維をほぐします。
木の棒で叩いてほぐすこともあります。


「ネリ」について
これを水に入れて、トロロアオイの「ネリ」と共によく混ぜます。


紙漉き
簀桁(すけた)という道具で一枚一枚漉きます。
漉いた紙は 紙床(しと)という台に重ねていきます。


乾燥
ジャッキで圧力をかけて紙床を絞り、
一枚づつはがして乾燥板に張って乾かします。


仕上げ・加工
乾いた紙を検品します。その後用途によって裁断したり、
こんにゃく糊・ドーサ引き・染めなどの加工をおこないます。